医療と美容トピックス
医療トピックスVol.003 風しんの免疫を確認しましょう 〜CRSを防ぐために
■風しんとは
風しんは、「発熱」・「発疹」・「リンパ節腫脹」を主症状とするウイルス感染症で、3日程度で直ることが多いことから俗に「三日ばしか」とも呼ばれ、基本的には、その名のとおり予後良好な疾患です。
しかし、まれに突発性血小板減少症や脳炎などの合併症を併発することがあります。また、妊娠初期に胎児が風しんウイルスに感染すると、先天性風疹症候群「CRS(congenital rubeiia syndrome)」を発症する場合があるので、注意が必要です。
妊娠初期であればあるほど発症の可能性が高いので、妊娠する前に、風しんに対して免疫があるかないかを確認しておくことが望ましいです。
■風しんの抗体検査とは
血液検査で判定します。いつでも予約なしで検査できますので、抗体検査を受けておきましょう。検査は保険適用外で、2,500円となります。
■CRSとは
先天性風しん症候群「CRS」とは、妊娠初期の女性が風しんにかかった場合、風しんウイルスが胎盤を介して胎児に感染し、出生児が発生する病名です。
「CRS」は、先天性心疾患、白内障、難聴を特徴とし、妊娠中の感染時期により重症度、症状が異なります。妊娠2カ月以内の女性が風しんにかかった場合、出生児は白内障、先天性の心臓病、難聴の症状の内、2つ以上を持って生まれてくることが多いというデータがあります。
また、妊娠3〜5カ月に感染した場合、難聴が多くみられますが、妊娠6ヵ月以降であれば、心配しなくて大丈夫です。
日本では、昭和40年に沖縄で出生した子の内400人以上が「CRS」であったことから、全国的に風しんが大流行した昭和52〜54年にかけて、先天性風しん症候群患児の出産を恐れ、多くの人が人工妊娠中絶を行った記録があります。
しかし、その後の感染症発生動向調査においては、平成12〜15年は年間1例のみに減少しました。
ところが、今年は10月までに全国で8例に達していることと、昨年からの風しんの流行は小規模ではあるものの数年続くことが予想されるので、継続的な注意が必要です。
「CRS」に対してはウイルスの特異的な治療法がないため、風しんの予防が必要となってきます。
■CRSの予防には
抗体がなく、妊娠の予定のある方は、ワクチン接種を行って風しんに対する免疫力をつけましょう。
また、妊娠中の女性をウイルスから守るために、ご主人を始めご家族はもとより、社会全体が風しんワクチンを接種して、風しんの蔓延を防ぐことが重要です。
風しんの流行状況等を踏まえ、これから生まれてくるお子さまのためにも、予防接種の検討をお願いいたします。
■風しんワクチン接種の効果と副反応
風しんワクチンの接種を受けた方は、95%以上に風しんHI抗体の陽転が見られます。HI抗体価の上昇は自然罹患より低いですが、20年近く抗体が持続し、自然感染による発症を防御します。
また、風しん患者と接触した後、ワクチンを接種した場合、確実に予防できるとは限りませんが、接種しても問題はありません。
風しんにかかった、かかったことがないといった記憶は、あてにならないことが多いもの。ついでの時に抗体を検査し、抗体がない場合はワクチン接種をすることが望ましいです。
成人女性の抗体陽性の方にワクチン接種をしたとしても特別な副反応は起こらず、抗体価の低い方においては、追加免疫効果があります。また、子供への接種では接種後5〜14日に発熱、発疹、リンパ節腫脹などの症状が出ますが、いずれも0.6〜2.6%と低い数値です。
■風しんワクチン接種の際の注意
妊娠の可能性のある女性は、胎児への感染防止のため妊娠していないことを確かめた上で接種して下さい。
また、風しんワクチンの接種後は最低2カ月間の避妊が必要なことも覚えておいて下さい。
最後に、風しんにかかったかなと思ったら、すぐ医者に行って、周囲にうつさないよう気をつけましょう。
2004.11.17
・風しんおよびCRSに関しての関連リンク
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